おいも貴婦人ブログ

生物系博士課程満期退学をしたAIエンジニアのブログ。

Newton Inversion Methods による粗視化DNAモデル(2014)

以下に書いたものは、論文を基にした私の理解なので、正確性を欠きます。正確な情報を知りたい場合は、下記の論文を参照してください。また、下記の論文の図を参照することで、理解が深まると思います。

A Solvent-Mediated Coarse-Grained Model of DNA Derived with the Systematic Newton Inversion Method

前置き

 イントロが長い。しかし懇切丁寧に粗視化DNAモデルの歴史が書いてあるので読む価値は十分にあると思う。
 粗視化モデルの発展は現在目覚ましいものである。計算コストの軽量化や、all-atomモデルに比べてタイムスケールや空間スケールを拡大するだけでなく、粗視化することによりノイズを除去し、物事の本質を掴むことが出来る。
 粗視化モデルの構築には、主に二つの方法がある。「top-down」法と「bottom-up」法である。top-down法は、実験結果の多くのデータと一致するようにパラメータを決定し、一方でbottom-up法は、All-atomなどのより詳細なシミュレーションから粗視化ハミルトニアンを構築する方法である。前者の具体的な方法として、force-matching法やVothグループが開発したCoined Multiscale Coarse-Graining scheme(MS-CG)などがある。また後者は、繰り込みを基礎においた構造依拠モデルなどがある。
 粗視化DNAモデルの構築はここ10年前くらいから盛んに行われており、主にde Pabloグループ、Pantanoグループ、Ouldridgeグループ、Savelyevグループなどが盛んに研究を行っている。de PabloグループはDNAの溶解曲線を再現するようにDNAをモデル化し、ここ一年ちょっとで大きな発展をしている。最近のモデルでは、DNAのバブル化?のダイナミクスの再現、イオン強度依存的なDNAやRNAのパーシステント長の一致などがある。Pantanoグループ...執筆中。