BJ(ウィルスキャプシド(殻)中のDNAのエントロピー、エネルギーと曲がり)
以下に書いたものは、論文を基にした私の理解なので、正確性を欠きます。正確な情報を知りたい場合は、下記の論文を参照してください。また、下記の論文の図を参照することで、理解が深まると思います。
Entropy, Energy, and Bending of DNA in Viral Capsids
要約
- 新しい一分子や溶媒の測定方法によって促進された、バクテリオファージのキャプシド中でコンパクトになっているDNAで起こっている物理の基礎となる力や圧力は、多くの最近の理論的モデルの的となった。
- これは2つのモデルを含んでいる。連続弾性理論とMDシミューレションである。
- 両方のモデルはキャプシド内のDNAの長さにおける力の依存性、つまり、パッケージングの自由エネルギーを考えている。しかし、それらの力の起源の解釈は異なっている。
- DNAの制限エントロピーはMDの中では自由エネルギーの主な要因となる。一方で、連続弾性理論ではDNA鎖間の反発力で自由エネルギーは満たされており、エントロピーの項を含んでいない。
- この論文の目標は、現在の論争を解決することとMDにおけるエントロピー項の起源を評価することと連続弾性理論におけるエントロピーの項の存在を示すことである。
導入
- バクテリオファージの中のゲノムの2本鎖DNAはとてもストレスを受けている。これは内部圧が50atmにもなり、これはきつくパッケージされていて電荷を持った剛体的な分子を曲げていることを表している。
- ウィルス内の完全にパッケージされている隣り合うDNAの軸間距離は2.5nmとなる。これは二本鎖DNAの剛体球直径である2.0nmよりも少しでかく、イオン溶液内のDNA-DNA相互作用の反発領域になる。
- それ以上に、溶媒中の自由なDNAは揺らいでいて、やわらかく、Worm-like chain(WLC)の持続長50nmとなりm大部分キャプシドの半径より大きい。
- 小さいキャプシドへのウィルスDNAのパッケージングは多大なメカニズムの働きが必要となる。
- DNAのパッケージに必要な力は、ATPを使ってキャプシド穴のモータタンパク質により提供される。
- 最近の一分子測定はこの力\(f(L_{int})\)を明らかにし、ウィルスに依存し、キャプシドの中に入ったゲノムの長さ\(L_{int}\)と共に急激に(30-100pN)増える。
- これらの研究はウィルスキャプシドにおけるDNAパッケージのたくさんの理論的なモデルの定式化を促進させた。このモデルは大まかに2つのカテゴリーになる。
連続弾性体理論
- その問題の前の理論と似ていて、これらのモデルはdsDNAはWLCとして扱う。このWLCのパッケージング自由エネルギーは2つの部分に分けることができ、\(\Delta F = \Delta F_{int} +\Delta E_{bend}\)となり、右辺第一項はDNA間の反発力で、第二項はDNAの曲げエネルギーとなる。
- いくつかのモデルはDNAのねじり、キャプシドへの引力や表面エネルギーの項を加えている。
- キャプシド化されたDNAは六角形のような秩序のある束に巻きとると想定され、その形やDNA間の距離、はパッケージング自由エネルギーの変分を使うことによって、\(L_{int}\)の関数として決定される
- 曲げエネルギー