リボソームの会合(アセンブリ、形成過程、集合)について
リボソームは、tRNAからタンパク質を翻訳する生体タンパク質です。その分子量は、大腸菌で2.7 MDa、哺乳類で4.6 MDaになる。巨大なタンパク質である(ちなみに、タイチンが一番でかい)。2009年のノーベル化学賞は、『リボソームの構造と機能の研究』をテーマとしたVenkatraman Ramakrishnan、Thomas A. Steitz、Ada E. Yonathの3氏に贈られた。今回は、そのリボソームの形成過程について色々調べてまとめました。以下に書いたものは、論文を基にした私の理解なので、正確性を欠きます。正確な情報を知りたい場合は、下記の論文を参照してください。また、下記の論文の図を参照するとすごく理解できると思います。
Assembly of Bacterial Ribosomes(2011)
E.coliのリボソームについてのレビュー。
イントロ
vitroでの集合マップと中間状態
- 1950年代後半、30S,50S,70Sは、マグネシウム濃度に依存する一つのタンパク質の会合状態の変化であると考えられていた。
- 1960年代に、vitroで30Sの自己集合を確認した。30Sは、3つのドメインから成る。(5'domain, central domain, 3'domain)
- リボソーマルタンパク質の添加順番により、30Sの集合の様式を確認した。30Sは、S4,S7,S8,S15,S17,S20が16SrRNAに結合する。(Nomura Map)(なぜ30SとS4,…は、Sの位置が違うの?)
- 30Sの2つの中間状態は、21S-22Sで16SrRNAと15個のリボソーマルタンパク質を含む状態(0-15℃)と25S-26Sの状態(40℃)である。
- 50Sの3つの中間状態は、33Sで5SrRNA,23SrRNAと22個のタンパク質を含む状態(4℃)、41S-43Sの状態(44℃)と残りの11個のリボソーマルを入れた48Sの状態である。
vivoでの中間状態
- S30では、やはり2つの中間状態が観測され、それらはp130Sとp230Sとなる。50Sでは、3つの中間状態が観測され、それらはp150S、p250Sとp350Sとなる。
rRNAの成熟と加工
- 5SrRNA,16SrRNA,23SrRNAは一つのRNAとして転写され、RNase IIIによって切断される。
- 16SrRNAは、17SrRNAがRNase E, RNase Gの加工を受けて出来るrRNAである。
- 23SrRNAはRNase Tによって加工を受けるが、5'の加工は不明。
- 5SrRNAはRNase Tによって加工を受けるが、5'の加工は不明。
- それぞれのrRNAが、メチル化、pseudouridylation,methlated pseudouradylationされる。
- 小サブユニットの16SrRNAは加工が無くても、活性な30Sを作ることができる。しかし、大サブユニットの23SrRNAは加工が無いと活性な50Sを作ることが出来ない。