PNAS(マルチドメインタンパク質のエネルギー地形における不安定性)
以下に書いたものは、論文を基にした私の理解なので、正確性を欠きます。正確な情報を知りたい場合は、下記の論文を参照してください。また、下記の論文の図を参照することで、理解が深まると思います。
Frustration in the energy landscapesprotein misfolding of multidomain protein misfolding (2012)
感想
一部のSelf-recognition contactsが、マルチドメインタンパク質のミスフォールドを導く。AWSEM-Amylometerでどこに一残基置換を入れるかを決める(V11D,I59D)。これにより、置換を導入したタンパク質はdomain swapped contactsとself recognition contactsの割合を入れ替えることができる。
要約
- 強い相互作用からくる不安定性は、マルチドメインタンパク質において、ミスフォールドを深刻な問題にする。
- バイオインフォマティクスの研究によると、上記の問題を克服するために、天然のマルチドメインタンパク質は隣り合うドメイン間の配列一致度を下げている。
- マルチドメインのミスフォールディングをAWSEMモデルで調べた。
- 配列の一致度を減少させることは、ドメインスワッピングコンタクト形成の減少だけでなく、セルフリコグニションコンタクト形成の減少も引き起こす。
- アミロイドで形成されるようなコンタクトをもつミスフォールドアンサンブルは、天然構造よりもエネルギー的に不安定であるが、エントロピー的には安定である。
- それ故、非天然な条件下(高温)では、天然構造よりそのアンサンブルの方が安定である。
- ドメインスワッピングコンタクトとセルフリコグニションコンタクトは、様々なエネルギー極小状態で競合する。
- その関係を、一残基置換で変えることができる。
- タンパク質間でそのような強い相互作用を持たないマルチドメインタンパク質は、期待通りにフォールドするだろう。